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バゼット、アンリマユ、カレン

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以下のブログ記事がバゼット、アンリマユ、カレンの関係をすっごく分かりやすく解説していたので引用。


ゲーム評「Fate/hollow ataraxia」 -エヴァから遠く離れて- / kagamikakologのブログ

http://blog.livedoor.jp/kagamikakolog/archives/21908.html




回りくどく云うのは私の性にはあわないのでストレートに云いましょう。

本作は、楽しい日々が続くことを願った観察者=主人公に憑りついた悪魔アンリマユ

が日々を延々とループさせますが、これは明らかにプレイヤーのモティーフです。

メタレベルにおいてアンリマユ=プレイヤーの重ね合わせが行なわれているのは

火を見るよりも明らかです。アンリマユのパートナー(マスター)である魔術師バゼットは

極めて空虚で物理的強さはともかく精神的には頼りない人物として描かれますが、

彼女はアンリマユの”部分”です。そしてそれはアンリマユは彼女の部分であることを示す。

アンリマユが彼女の左腕であることを見れば明らかです。アンリマユ=バゼット

であり、プレイヤー=アンリマユ=バゼットの重ね合わせであるのです。

アンリマユがバゼットを大切にするのは、彼女が、自分自身のような存在であるからです。

そんなアンリマユと恋人になり、そして瀕死だったバゼットの身体を癒すカレンの

キャラクター性は明らかに普遍的なエロゲヒロインの象徴性としての意味合いを

付加されています。普遍的なエロゲヒロインの象徴性とは何か。


それは”プレイヤーへの絶対の献身”です。カレンは周囲の”醜い欲望”(作中で

醜い欲望として指示されているのは明らかに性的欲望)に身体が自動的に反応し

(つまり相手が発情すれば自動的に発情する)相手の欲望のはけ口として機能

するようになっている。明らかに普遍的なエロゲヒロインの象徴であり、そして

彼女の存在自体がエロゲーマーに対する原罪として機能する。カレンは外界

(=現実世界)に犯される為だけの存在であり、犯すのは当然現実世界からの

観察者=プレイヤー=アンリマユです。彼女は犯されることで機能を失う。

彼女の身体の臓腑は機能を果たさなくなってゆき、彼女の目はもう何も見えない。

当たり前です。なぜなら、現実世界のプレイヤーは、ヒロインを犯した後(攻略した後)

は、別のヒロインに移って、犯した彼女をHDDの中に放置=機能停止させるからです。

カレンは普遍的な”攻略される前/攻略された後”をその身で示すヒロインなのです。


私のようなひねくれたプレイヤーだと、寧ろこのねじれが美味しく感じるんですが…。

メタレベルまで読み解かずにただ感覚的にこの物語を受け入れれば戸惑うのは

当然でしょう。なぜなら、ここには無言の、隠された、エロゲーマーへの告発がある。


Fate/hollow ataraxiaのアンリマユ、バゼット、カレン、この三人をメタレベルとして

読み解けば、後は非常に分かりやすい構造です。アンリマユが虚無=虚構、非時間性

としての終わらない日々=エロゲプレイ中(笑)を示しているとすれば、バゼットは

実在=現実、流れて行く時間性を示している。バゼットは現実に帰ることを拒否し、

永遠に非時間性の世界――エロゲ世界にいることを望みますが、それをバゼットと

同にして非なるもの――バゼットの半身たる純粋なエロゲプレイヤー的価値観の

象徴であるアンリマユは拒否し、エロゲヒロインたるカレンに導かれて、無へと至り、

バゼットを現実世界へ返すのです。いやあ…なんというか…。物凄い嫌味で…。


正直云って、嫌味が効き過ぎてラストではゲラゲラ笑っちゃいましたよ。アンリマユは私に

とって物凄く共感できる奴でしたが、当たり前です。彼は”エロゲーマーの仮象”ですから、

私のような生粋のエロゲーマーの価値観を共有するタイプの存在として描かれている。

メタ・レベルのメッセージを読み解けば、”エロゲは無!!””現実に帰れ、帰れよう!!”

といったメッセージをシャウトしている作品で、いや、この作品もエロゲなんだがなあと

思わずツッコミを入れずにはいられない。




アンリマユ:エロゲをプレイしているプライベートな自分

バゼット :スーツきて会社行ったりしているパブリックな自分

カレン  :今遊んでいるエロゲ


という比喩なんですね…。

エロゲをやらない自分には思いつかなかった。いやはや…。


パブリックな自分がゲームにハマりすぎて現実に帰ってこられなくなるのは困るだろう!?ってことだったのか。

投稿者 s2tjrn | 返信 (0) | トラックバック (0)

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