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Fate/EXTRA セイバー(ラニルート)クリア感想 ファンタジー部分について

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注意。ネタバレ含みます!



全体的に各キャラクターが説明不足だ。

各戦いごとに新しいマスターとサーヴァントがでてくるのだけど、EXTRAでは主人公視点のみで物語がすすむのでどういうキャラなのかよくわからなくて残念だった。stay nightみたいなInterludeがほしかった。ダンと緑アーチャー、シンジと船長ライダーあたりは全然キャラが理解できず、単なる対戦相手としか見られない。ユリウスはinterlude的なものもあったけど李書文にはもっとストーリーがほしかった。

登場人物が多いからinterludeなどで人物描写がちゃんとなされないキャラは思い入れできないんだよね。だからダンやシンジのポリシーや決意がよくわからず、彼らが負けて消えていく時もなにも感慨を抱けなかった。


ストーリーの足りなさは重要人物であるはずのレオと凛もおなじ。レオの王らしさがよくわからない。ギルガメッシュと言ってる事が似てるからギルの代替キャラなのか?ハーウェイ財閥とやらにもっと説得力ある解説がほしい。


凛のキャラもよくわからない。stay nightとはずいぶん違う性格に見えるのだけど。なんで聖杯戦争に参加しているのだろうか?ハーウェイを止めるため?stay nightの凛ってそういう大義の為に動くキャラじゃないからそこに違和感ある。EXTRAの凛のキャラクターがわかるストーリーがほしかった。


ラニの正体もこれまたよくわからず。アトラス院というのはTYPE-MOON共通ででてくる設定だっけ?


赤セイバーのルートはなにかとstay night繋がりぽかった。

赤セイバーは思いのほか青セイバーを意識してつくられているキャラクターだった。外見だけでなく性格や言動も逆転。セリフはイスカンダルとギルガメッシュを足しっぱなしにした感じだし、ゲーム中のマスターとの会話ではあの騎士王と自分は違うのだ、みたいなことを何度も言ってくる。

後半になって赤セイバーが自分の真名は皇帝ネロ・クラウディウスと明かしたあとからは青セイバーとの生き方、王道の違いについての話が多くなる。

これは7回戦で赤セイバーがレオを評して言った言葉。



資格があるから王となる。

ふさわしいから王となる。

では奴は王となった後、何を成すのか。

あれは王という名のデウスマキナ。

己の欲望が民に結びつかぬ王などつまらぬ。

達成感がない!

正しいだけの王制など監獄と同じであろう。

正しく、また、華々しく栄えてこその人間だ。

そうは思わぬか?

(7回戦 1日目 赤セイバー)



これはわりと前半でセイバーが雑談としてギリシャの演劇の話を延々とするシーンがあって、その中でギリシャ演劇の崩壊してしまったストーリーを無理矢理まとめる「デウス・エクス・マキナ」の説明をしてくれるのだけど、それがこのレオの王道を批判する会話の伏線になっている。


そして7回戦の相手のサーヴァントは青セイバーの部下であった円卓の騎士ガウェイン。ガウェイン相手の時は赤セイバーがよく喋る。ガウェインはEXTRAにおいての青セイバー的価値観の象徴なのだろうけど、これを赤セイバーがなじるなじる。



赤セイバー:ならば貴様は信頼する友を斬れと命ぜられれば、その通りにするというのか?

ガウェイン:無論。主が望むのなら、私はいかなる醜行にも手を染めます。剣を預けるとはそういう事です。

      主に間違いはありません。

      間違えがあったとしたら、それは王ではなく、斬刑を下された友と思います。

赤セイバー:ほうーーーこれはこれは。いいぞ、余の虫が騒ぎ始めた。続けよ、戯言を許す。

ガウェイン:……いいでしょう。では聞かせてほしいセイバー。貴君は主の命に従わないと?

赤セイバー:愚問だな。盲目のまま友を斬るなどという行為は美しくない。

      いかに令呪を用いようとも、余は断固として従わぬだろう。

      しかしな、太陽の騎士よ。貴様のそれこそ意味のない問いぞ。

ガウェイン:なぜです?

赤セイバー:余の奏者(マスター)は、決してそのような命は下さぬからだ。

ガウェイン:それは剣の身勝手な妄想です。

      主の選択に自らの夢を載せる事こそ不忠。貴君と主の関係は破綻している。

(7回戦 エレベーター内)



あの騎士王にしてこの臣下あり…。

ZEROの聖杯問答またしてもという雰囲気。



赤セイバー:貴様が見るは”完璧な王の姿”のみ。王の成す諸政に関心を持たぬのなら、犬と何が変わろうか。

ガウェイン:……今更なにを。騎士とはそういうものです。主君の剣となって生き、主君の道と共に滅びる。

      そこに一切の懐疑も、不満もあってはならない。この身は王の御前に捧げたもの。

      己(こころ)のある騎士など、それこそ壊れている。

赤セイバー:たわけ、全ての騎士に頭をたれるがよい!滅びを共にするのは美しいが、

      盲目のまま命を賭すのは自滅にすぎん。

(7回戦 決戦前)



EXTRAはTYPE-MOONにとって青セイバー依存からの脱却というテーマがあったろうけど、ここまでしてTYPE-MOONは青セイバーを否定したかったのだろうか。

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