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Nier:Automata感想まとめ

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カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」という小説がある。

ニーアオートマタはこれの規模を大きくして、さらに目的が失われた世界に見えた。


ニーアオートマタは鬱ゲームと言われるけれど、「わたしを離さないで」を読んで気にいることができた人ならニーアオートマタをプレイしても大丈夫な気がする。結末の救いのなさは「わたしを離さないで」の方が強い。ニーアオートマタでは未来に一抹の希望を託すので。

主人公たちが付き合ったり結婚しないとハッピーエンドじゃないと言う人には向きません。


そもそも鬱で理不尽なゲームをつくるクリエイターとして有名なヨコオタロウ氏がディレクターなので、そこそこ鬱ゲーであることは予測&期待されてるんだと思う。


まだ重要な要素を終わりきれていないんだけど、Eエンドまでみた感想をまとめてみる。


まずキャラクターのアクションがとても良いゲーム。攻撃のモーションが美しくかっこよく、武器によっていろいろ変わる。お供のポッドたちもかわいいし、ポッドの武器もたくさん。

そしてジャンプがとても楽しい。ボタンの組み合わせでびっくりするほど高く飛べたり長く飛べたりもする。ポッドにつかまって移動したり敵を蹴ったりもできる。

序盤の廃墟都市や砂漠地帯などはクエストをひとまず置いておいて、ただひたすらマップ上を駆け巡るだけでもかなり遊べた。


ただし2周目から操作キャラとなる9Sは攻撃アクションが2B、A2に比べると減り、男の子キャラなためか見た目も平凡で退屈になる。

だが、ニーアオートマタのストーリー上の主人公は誰だったのかと考えるとそれは9Sだ。(見た目上の主人公は2Bだろうけど。)

9Sは心を持たない凶暴な機械生命体たちから人類を守るために身を挺して闘うヨルハ部隊であることを誇りに思い、2Bと一緒に戦えることを喜んでいた。これらは結末に近くにつれ次々と崩されていき、結局全てが虚偽であった。


・月にいるはずの人類はとっくに滅んでいた。

・ヨルハ部隊の存在目的は戦意高揚のためのプロパガンダにすぎなかった。

・計画が済んだ後のヨルハ部隊は使い捨て。

・使い捨てるのでヨルハ部隊のコアは機械生命体のコアを流用。つまり2Bや9Sは機械生命体と同じだった。


そして2Bが一緒にいたのは

・高性能調査モデルの9Sはこれらの秘密にん気が付く可能性が高いため、2Bが9Sの監視役に付けられていた

・2Bの正体は処刑モデルのE型で2Eだった。

・9Sが秘密に気づきそうになったら2Bが9Sを殺して記憶を消す。いままでに2Bは何度も9Sを殺していた。


もし私が9Sだったら一番つらいのが自分のコアが機械生命体のコア、つまりアンドロイドではなく憎み蔑んできた機械生命体と同じであったというところ。もはや実は2Bに殺されていたとかどうでもよくなってしまう。2Bは同じヨルハではあるんだし。でも2Bはもういない。

序盤の9Sが好奇心旺盛で無邪気な男の子であったぶん終盤の荒みっぷりは見ていてつらかった。もし私も心のよりどころにしている物事がなくなってしまったら正気を保てないのではないかと思った。


さらに心を抉ってきたのが機械生命体のパスカル。2Bたちに友好的な機械生命体として村人たちと共にほのぼのした思い出をたくさんつくってくれた。この思い出こそがパスカルだった。

パスカルが工場廃墟で子供達が死んでしまったことに耐えられずA2に記憶を消させてから、次に村で会うと「こんなガラクタなににつかうんでしょうね?」と村人の死骸を集めてショップを開いている。子供達のコアまで売っている。パスカルは生きているけれど、もういない。記憶がなくなったパスカルはパスカルじゃない。


高校生の頃、ボケてしまった祖母のお見舞いに行ったことを思い出した。祖母は私のことを忘れていた。子供の頃大好きだったおばあちゃんなのにそれ以来2度ともお見舞いに行くことはなかった。今だから気持ちを整理できるが、当時の私は祖母に

忘れられてしまったことがショックで会いに行けなくなってしまったのだ。

人の存在価値は記憶にあるのかもしれない。誰かのことを覚えていること、誰かに覚えてもらっていること。それによって自分と相手との間に存在価値が生まれていたんだと感じた。


ニーアオートマタは記憶についての話なのかもしれない。

ニーアオートマタの有名なEエンド。このエンディングを最後まで見る前に全てのセーブデータが消去される。記録である全セーブデータを消去しても、ゲームプレイの記憶が残るのならそれは無価値にならない。

投稿者 s2tjrn | 返信 (0) | トラックバック (0)

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